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2017年8月26日

夏の高校野球、花咲徳栄高校、初優勝!そして来年の第100回大会へ向けての“重い宿題”

「99回目の夏、花咲徳栄高校、初優勝!ついに、埼玉県勢が、選手権を制しました!鍛え抜き、一瞬一瞬にかけた夏、最後に歓喜の瞬間が待っていました!!広陵高校、またしても夏の頂点には届かず、4度目の準優勝です!」
8日から阪神甲子園球場で熱戦を繰り広げられてきた『第99回全国高校野球選手権大会』の決勝戦が23日に花咲徳栄(埼玉県代表)と広陵(広島県代表)との間で行われ、花咲徳栄が14-4で広陵を下し、99回目にして関東1都6県でまだ優勝のなかった埼玉県勢として初優勝を飾りました。今大会は全体で過去最多の68本の本塁打が出ましたが、そのうちの6本の本塁打を打ち、清宮幸太郎選手(早実)を超えたとして話題になった広陵の中村奨成選手は、この試合で安打を3本打ちましたが、14点を取り、5回、6回で花咲徳栄に勝負を決められてしまいました。
この試合、関東地方では平日の午後にもかかわらず17.1%の視聴率、花咲徳栄の優勝が決まった午後4時37分には、22%の瞬間最高視聴率を記録しました。
ところで、この『全国高校野球選手権大会』は来年、第100回大会を迎えます。この記念すべき第100回大会を前に、いろいろな問題点が出てきました。
一つは、高校野球部の減少です。7月3日に日本高校野球連盟が公表した全国の野球部員数と加盟校数は、硬式の部員数は昨年より6,062人少ない161,573人で、3年連続の減少。加盟校数は25校減の3,989校と12年連続で減少し、平成に入って初めて4,000校を割り込みました。今年の大会の参加校数も、昨年より35校少ない3,839校となり、ピーク時の第84回、85回大会(平成14・15年)の4,183校をピークに減少が続いています。全国で12チームしかないプロ野球に対し、プロサッカーやプロバスケットボールのチームが全国各地に設立され、子供たちが野球よりもサッカーやバスケットボールのほうに魅力を感じるようになりました。沖縄でも、プロサッカー(J3)のFC琉球や、バスケットボールの琉球ゴールデンキングスがあり、サッカーやバスケットボールを目指そうとしている少年が多くなっていることがわかります。
二つは、私立高校が多く代表校になりやすいということです。かつては公立の商業系、工業系の高校が甲子園大会の代表校になるのが多かったのですが、今年の全国大会、49校の代表校のうち、公立の高校はわずか8校しかありません。2回の選抜大会の優勝をした沖縄尚学高校や、今年の代表校で平成22年に春夏制覇の偉業を成し遂げた興南高校も私立です。大学の附属高校も多く出場しています。私立はトレーニングなどの設備が充実している上、最近では地域を越えて中学校やスポーツクラブなどから優秀な生徒を集めようとしているようなこともありました。(現在もありますか?)
野球部員は、入部するに当たりユニフォームやその下に着るアンダーシャツ、グローブやバットなどの用具をそろえる必要があり、それらは親の負担でこれが重いのです。また、地方大会で優勝して甲子園大会出場が決まり、甲子園球場への遠征、応援団派遣のために多額の費用がかかります。近年、産業界が人件費抑制策として労働者の非正規化、低賃金化の影響もあり、こうした経済的負担もかかることが野球離れを起こしているものと思われます。
三つは、延長戦におけるタイブレーク制や投手の投球数制限などの導入問題です。現在のルールでは延長15回で決着がつかない場合、引き分けとし、再試合とするものですが、試合を早く決着させるために延長戦で無死、1、2塁からイニングを始めるというのがタイブレーク制です。その昔、『松山商VS三沢』(昭和44年・第51回夏)や『星陵VS簑島』(昭和54年・第61回夏)、『横浜VSPL学園』(平成10年・第80回夏)、『早稲田実VS駒大苫小牧』(平成18年・第88回夏)など、高校野球ファンの記憶に残る名勝負がありました。しかし、選手の体調管理などを考慮した上で、平成12年の春の選抜大会から延長戦は18回までだったのを15回までに短縮しました。さらに、今年の『第89回選抜高校野球大会』で、2試合連続で延長15回引き分け再試合が出たことから、タイブレーク制を導入しようとする動きが出てきました。
私は、甲子園大会でのタイブレーク制は導入すべきではないと思います。これでは、後世に残る名勝負が生まれにくくなり、高校野球の魅力が薄れてくる恐れがあります。地方大会には“大差コールドゲーム制”というのがありまして、決勝戦を除き、5回終了時点(表の終了時点で高校のチームが勝っているときも含む)で10点以上、7回終了時点で7点以上差がついたときに試合を打ち切り勝負ありとするというものがあります。地方大会でしたら、10回、または13回からタイブレークにしていいと思いますが、すべての高校球児のあこがれである甲子園大会では高校野球の魅力の維持という観点から、タイブレーク制導入には反対です。
グラウンドとアルプススタンド、二つの舞台を持つ甲子園球場。アルプススタンドではベンチ入りメンバーに選ばれなかった野球部員、女子マネージャーはもとより、吹奏楽部、応援部、チアリーディング部(学校によりバトントワリング部やダンス部などという場合もあります)など野球部以外の生徒も関わります。グラウンドとアルプススタンドが一体となって高校生による人間模様が描かれる高校野球。大相撲とともに我が国独特のスポーツ文化として、時代を越え、世代を越えて多くのファンの絶大な人気に支えられてきました。
来年は春の選抜大会は第90回、夏の選手権大会は第100回の記念すべき大会になります。高校野球部の減少や経済的負担、そしてタイブレーク制導入………これらをどう解決し、絶大なファンの期待にどう応えていくのか?高校野球関係者にとっては、来年の記念すべき大会までの重い宿題を背負うことになります。そして地方大会で敗退したその翌日から1、2年生の新チームが発足、“100回目のスペシャルな夏”への道は、もう始まっています。

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