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2017年3月10日

外国映画を通して異国文化伝え半世紀、『日曜洋画劇場』半世紀の歴史に幕。

 昭和41年に放送を開始し、洋画番組の老舗として君臨してきたTV-ASAHIの映画番組『日曜洋画劇場』が、今年春のダイヤ改正で廃止されることとなりました。
 『日曜洋画劇場』は、TV-ASAHIが教育番組中心だったNET(日本教育テレビ)だった昭和41年10月1日に放送を開始しました。当初は土曜日の放送で、その半年後に日曜日の午後9時からの放送となり、現在に至ってきました。毎週1本の外国映画を紹介することにより「外国映画を通して異国の文化に触れる」ことをコンセプトに放送されてきました。映画は日本語に吹き替えて放送され、番組でしか見られない作品が味わえました。
 番組で人気を上げたのが、平成10年になくなった映画評論家の淀川長治さんの名解説でした。
 1970年代には民放各局で洋画番組が花形番組として編成され、映画の前後には解説者が登場して作品の解説をしていました。
 NIHON-TV『金曜ロードショー』水野晴郎さん、TBS-TV『月曜ロードショー』荻昌弘さん、FUJI-TV『ゴールデン洋画劇場』高島忠夫さん、TV-TOKYO『木曜映画劇場』品田雄吉さん。
 『金曜ロードショー』では水野晴郎さんが番組の最後の「映画ってホントにいいもんですね」といっていましたが、淀川長治は最後に「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」といって、最後に暗い感じのエンディングテーマ曲が流れる中日本語の吹き替え声優などが紹介されると、明日からまた仕事や学校、といって寝床について視聴者の方も多いでしょう。
 そんな映画評論家も次々とこの世を去り、この中では高島忠夫さんが生き残っているだけです。
 ところが平成に入って、衛星放送が本格的に始まり、WOWOWとスターチャンネルが有料でハリウッドのメガヒット作を次々に放送したり、また、レンタルビデオが隆盛し、ビデオで映画を楽しむことも多くなりました。最近ではインターネットのオンデマンド配信も増えてきました。また、劇場ではフィルムではなく、映像ファイルになった作品を上映する、いわゆる“デジタルシネマ”が主流となり、さらには映画放送権の高騰と、民放の洋画番組をめぐる環境は厳しくなりました。
 このため、洋画番組を廃止してバラエティ番組に変更したり、系列BS放送に回す系列も出てきました。淀川長治さんという番組の大黒柱を失った『日曜洋画劇場』も例外ではなく、平成25年4月からは月1本程度の放送に減らされ、減らされた分は単発バラエティ・スペシャル番組になったり、土曜日・日曜日の2夜連続の大型ドラマ特別企画になったりという編成になりました。
 また、かつてのスポンサーだったネスレ日本、松下電器産業(現在のパナソニック)、サントリー、レナウン、トヨタ自動車も相次いで撤退、現在はこれらの会社は提供クレジットには出てきません。
 そして今年4月のダイヤ改正で、土曜日・日曜日の午後9時台にニュース番組を新設するのに伴い、『日曜洋画劇場』も50年にわたる歴史に終止符が打たれることとなりました。2月12日に放送された『相棒・劇場版Ⅰ~絶体絶命!42.195㎞東京ビッグシティマラソン』が最後の放送作品となります。また、単発2時間ドラマの代表的番組として40年間にわたり親しまれてきた『土曜ワイド劇場』も、放送時間を日曜日午前10時からに変更し、タイトルも『日曜ワイド』となります。(今回のTV-ASAHIのダイヤ改正では、平日午後0時台に帯ドラマも新設されます。)
 TV-ASAHIでは「半世紀の長きにわたり皆様にご愛顧をいただいた『日曜洋画劇場』は今回の改編で消滅しますが、今後は別の曜日・時間帯でフレキシブルに映画番組を編成していく。」としています。
 日曜日の夜に外国映画を通して異国の文化を茶の間に伝えてきた洋画番組の老舗『日曜洋画劇場』。
 “家電の王様・娯楽の王様”といわれたテレビの歴史に燦然と輝いた名番組が、また一つ、姿を消すことになります。また、同時にこの番組が果たしてきた、“外国の映画やドラマなどを通しての異国文化の発信”の役割は、BS-ASAHIで毎週土曜日の午後9時から放送している『サタデーシアター』や、外国のテレビドラマを中心に無料で放送しているディズニー系列のチャンネル『D-life』に引き継がれることとなります。(既に不定期放送化の段階でそうなっていますが)

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