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2016年10月20日

“那覇の文化の殿堂”ついに終幕へ!老朽化、耐震能力不足のため。

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那覇市のみならず沖縄県の文化の殿堂として愛されてきた那覇市民会館(筆者撮影)
昭和45年11月に建設され、以来“那覇の文化の殿堂”として愛されてきた那覇市民会館が、このほどの耐震診断で「震度6強から7の大規模な地震が起こった場合、倒壊、又は崩壊の危険性が高い」と判定され、休館することになりました。那覇市では今後、耐震工事を予定していますが、工事に多額の費用がかかることも予想され、このまま閉館、取り壊しということも予想されます。その場合、9月25日に開催された、地域文化芸能公演『TSUNAGUⅡ』が最後のイベントになります。
那覇市民会館は、昭和45年11月に当時の一流の建築家だった金城信吉さんの設計で建設され、以来、音楽や芸術などのイベントが開催され、那覇市民の文化の向上・推進に寄与してきました。昭和47年5月15日には、沖縄祖国復帰記念式典が行われ、新生沖縄県誕生の舞台ともなった歴史的なホールでもあります。さらに、那覇市内の各小中学校・高校の音楽部の定期演奏会や、合唱コンクール、芸術鑑賞教室の舞台にもなり、多くの市民にとっても思い出のあるホールでもあります。設備は、大・中二つのホールと会議室とその附帯施設で構成され、大ホールは1,668名を収容し、音楽・舞踊・演劇などの公演や、その他大規模な講演会・集会の会場として、中ホールは、800人以下の集会・展示会・講習会などの会場として利用されてきました。
その那覇市民会館も平成19年以降、コンクリート片の落下が年平均5回発生するなど、老朽化が進んできたことから、那覇市では3年前に101年の歴史の幕を閉じた久茂地小学校の跡地に新しい市民会館を建設して移転する構想を明らかにしています。しかし、老朽化が想定以上に進んでいることから、新しい市民会館を建設する前に、無期限の休館となってしまいました。今後は、那覇市久茂地の中心部にあるパレットくもじ内のパレット市民劇場や、浦添市てだこホール、国立劇場おきなわ、沖縄コンベンションセンター劇場などに舞台を求めることになります。
この那覇市民会館の建物は、沖縄県で最初の本格的な文化施設として建設され、沖縄の真夏の日射しを遮る大きな庇や、琉球石灰岩の塀、剝き出しの コンクリートや木材、亜熱帯の植栽、それらの調和で沖縄の原風景を感じさせるという特徴のあるものです。このため、建築家の間では、“沖縄県の近代建築の代表的な作品”という文化的価値のある建物として保存を求める声もあれば、市民会館を取り壊して那覇市の真和志庁舎を移転させ、これに市民会館の隣にある中央図書館・中央公民館の機能を統合した新しい複合施設を建設しようという構想もあります。その真和志庁舎は、市民会館が建設された2年前の昭和43年に建設され、消防署の出張所と真和志支所、水道局が併設された建物で、おそらく沖縄県内で最後まで残った、消防の望楼が残っている建物でもあり、そちらの方がもっと老朽化しています。その真和志庁舎も、平成18年には水道局がおもろまちへ、そして長年にわたり拠点を置いてきた消防署の出張所も今年3月、市民会館の近くでその昔、那覇市教育委員会の庁舎があった神原中学校の隣に移転しました。
私としては、沖縄近代建築の代表的建築物とはいえ、老朽化もある程度進んでいるという観点から、後者の「市民会館取り壊し、真和志支所&中央図書館・中央公民館一体複合施設建設、そして真和志庁舎の取り壊し」に賛同したいと思います。
那覇市はもとより沖縄県の“文化の殿堂”として歩んできた那覇市民会館。想定以上に進んだ老朽化に勝てず、新しい市民会館の建設を待たずにこのまま46年間の歴史にピリオドが打たれることになります。

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