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2016年4月 9日

連続テレビ小説『あさが来た』総括

半年間にわたり朝のお茶の間をわかせたNHK大阪放送局制作の朝の連続テレビ小説『あさが来た』が2日に終了しました。
幕末に商社を営む家に生まれた女性実業家、広岡浅子さんをモデルに、銀行、生命保険会社、そして我が国初の女子大学の設立に貢献した女性実業家の生涯を描きました。
最終週のストーリーでは、女子大学の運営を軌道に乗せたあさ(波瑠)が、突如企業経営の第一線から退き、女子大学の運営や夫、新次郎(玉木宏)の看病に専念したいと言い出しました。その後、新次郎は病に倒れ、この世を去ります。新次郎の死から6年後、千代(小芝風花)は3人の女の子の母親になり、お腹にはもう一人を身ごもっていました。そして宣(吉岡里帆)は海外留学から帰国しました。あさは勉強会と称するピクニックに出かけ、「人の気持ちを慮ることのできる優秀な頭脳と、やわらかい心。その二つがあれば十分」と、受講者に教えを説きました。そこで丘の向こうに新次郎の影を発見、押さえきれず新次郎のもとへ走ったあさに、新次郎は手をとって「ご苦労さん、今日も頑張ってはりますな」と優しく声を掛け、抱き合ったところでフィニッシュを迎えました。
2日の最終回の視聴率は27%、一度も週間平均視聴率は20%を下回らず、半年間にわたる放送期間全体の平均視聴率は23.5%と、平成14年前期の『さくら』の23.3%を上回る今世紀最高の視聴率となりました。
今回の朝ドラは、時の安倍政権が提唱する“女性が輝く社会”が企画の背景にありました。朝ドラ史上初めて幕末から物語をスタートし、明治に入って炭鉱、銀行、生命保険会社、女子大学と次々と事業を興していくというストーリーは、“女性が輝く社会”そのものが描かれていると思いました。安倍政権は、女性が次の世代を担う子供を産み、育てながら安心して社会で活躍できる社会づくりを目指していますが、産業界の壁は厚く、果たしてそうなりますでしょうか?
番組の制作総指揮を執った佐野元彦エグゼクティブプロデューサーは、ストーリーの要所要所で豪華なキャストを起用しました。あさの姉・はつ役に、朝ドラ『純情きらり』のヒロイン、宮﨑あおいさん、新次郎の母・よの役に風吹ジュンさん、新撰組の土方歳三役に大河ドラマ『新撰組!』でも演じた山本耕史さん、五代友厚役にディーン・フジオカさん、奈良の行商役に笑福亭鶴瓶さん、明治の実業家・渋沢栄一役に三宅裕司さん、女子大学設立へのアドバイザとなった大隈重信役に高橋英樹さん、その妻・綾子役に松坂慶子さん、生命保険会社の社長役に元NHKアナウンサーの松平定知さんと元ABCアナウンサーの宮根誠司さんなど………そうとうたる豪華出演者でストーリーを盛り上げました。
さらに、今後注目されそうな若手女優陣も起用しました。あさとはつの実家の女中で後に加野屋の番頭だった亀助と結婚して九州へ移住したふゆ役を演じた弱冠14歳の清原果耶ちゃん、あさの娘、千代役を演じた小芝風花ちゃん、あさと千代の少女時代を演じた鈴木梨央ちゃん、女学校の寮で千代と同室だった田村宣役を演じた吉岡里帆さん、いずれも今後の活躍が期待され、将来の朝ドラヒロイン候補にもなりそうな若手女優が、今世紀最高視聴率をあげたこの番組でブレイクし、スポットライトを浴びました。平成25年前期の『あまちゃん』以降、ヒロイン以外の若手女優が、朝ドラを踏み台にブレイクするという傾向ですが、今回も期待の女優が出てきました。
さらにドラマを始め歴史物の番組を得意とするNHK大阪放送局ならではの味付けがドラマ全体を一層引き立てました。こうしたことが今世紀最高視聴率の朝ドラとなりました。おそらく『カーネーション』に続き、ギャラクシー大賞などのタイトルに輝くのは間違いないでしょう。
幕末から明治・大正時代を背景に、大阪有数の両替商に嫁ぎ、商売の才覚を発揮して実業家となり、日本初の女子大学設立に奔走した“明治の女傑”広岡浅子さんをモデルに、その時の女性のパワーが、朝のお茶の間を賑わせました。この番組が、時の安倍政権が提唱する“女性が輝く社会”の構築に一石を投じることを願いたいです。
4日からは、昭和30年代に一世を風靡した生活情報雑誌『暮らしの手帖』の創刊・編集に携わった3姉妹のお話『とと姉ちゃん』が始まりました。静岡県浜松市の染め物工場の営業マンの家庭に生まれ、若くして結核で父を失った3姉妹が、力強く生き抜き、生活情報雑誌の創刊にこぎつけるまでが、どういうふうに描かれますか。

『あさが来た』スピンオフ『割れ鍋にとじふた』
BSPで、4月16日(土)午後9:00から。
『あさが来た』総集編
Gテレで、5月5日(木)、前編(再)午前8:15~、後編午前10:15~。

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