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2015年4月26日

全国222万小中学生の“運命の1日”全国学力テスト

全国の小学6年生、中学3年生を対象とした“全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)”が21日、全国すべての国立・公立の小中学校と一部の私立小中学校で一斉に行われました。沖縄県内では小学6年生が約15,300人、中学3年生が約14,700人、合計およそ3万人が、全国では小学6年生が約110万4,000人、中学3年生が約112万2,000人、合計およそ222万6,000人が、国語、算数・数学、理科の3教科、それぞれ基礎学力を問うA問題と、応用力を試すB問題に取り組みました。
全国学力テストは、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証して改善を図ることが本来の目的ですが、この全国学力テストをめぐり、都道府県教育委員会が現場の先生方と児童・生徒に過度の競争を押しつけているという弊害が見受けられているようです。
沖縄タイムスでは20日付から、“子どものいま~学力テスト対策”と題して特集記事が掲載されています。この特集記事では、全国学力テストへ向けて、補習や過去問演習に明け暮れる教育現場がレポートされています。ある小学校では、7日の新学期開始から学力テスト終了の21日まで、通常の授業を変更して学力テスト対策に当て、過去問演習を繰り返しました。この小学校では、学力テストの成績が悪いため、今年度は運動会や学習発表会の練習時間を大幅に削減することになりました。また、春休みを返上して補習を行っているという学校もありました。こうした各学校での取り組みは、沖縄県教育委員会の“学力向上対策本部”の号令で行われており、テストを受ける子どもたちも「遊ぶ余裕が欲しい」と訴えたり、そして先生方も「テスト対策が先手に回って授業の改善に余裕がない」と疑問を投げかけたり、「運動会のエイサーや学芸会での平和劇など、長年続いたものが今後できなくなるかもしれない」と危機感を募らせています。
昨年の全国学力テストで、沖縄県は小学6年生部門で47都道府県中24位という大躍進をとげたものの、中学3年生部門で依然最下位となっています。文部科学省が、各都道府県の成績をランキング形式で公表していることから、学校現場では全国学力テストを本来の目的から逸脱し、“点数競争”の道具として、また、教育委員会では“学校支配”の道具として使っているようです。都道府県単位ではもとより、市町村単位、学校単位、クラス単位での競争があおられているという話もあります。
韓国では日本の大学入試センター試験に相当する、大学進学のための共通試験“大学修学能力試験”というのがあり、この試験で高校卒業後の人生が決まるといわれています。このために、高校生が必死になって勉強し、中には試験の成績が悪かったのを苦に自殺したり、母親に尻をたたかれて勉強に追い込まれた末に、母親を殺害したという高校生もいるというエピソードもあります。
日本でも、この韓国流の“受験地獄”が小学6年生、中学3年生の段階で取り入れられているようです。大阪府では来年度、現在の中学3年生が受ける高校入試から、内申点の成績に全国学力テストの成績を反映することから、さらなる競争原理の拡大も懸念されます。
“ゆとり教育”政策の失敗を戒めた、全国学力テストや各都道府県独自の学力調査を中心とする、“学力向上”一辺倒の政策により、小中学生を取り巻く環境はますますきつくなっていきました。運動会や学習発表会など学校行事の縮小や、夏休み・冬休み・春休みの長期休暇の縮小、土曜日・日曜日を休みとする学校週休2日制の見直し・月2回もしくは毎週の土曜日登校、教職員に対する労働強化などといった現場の締め付けが、また、生活面についても、宿題の過重化による家庭学習時間の拡大や、テレビ、ゲーム、ネットなどに関わる時間の制限、“非行の温床”どころか“学力低下の温床”として、大型ショッピングセンターのゲームコーナーやカラオケボックスへの中学生以下の児童・生徒の利用制限(昼夜問わず保護者同伴でなければ立入禁止及び不良行為少年として警察の補導対象が大半)など、児童・生徒の生活制限強化が、各都道府県教育委員会によってなされています。沖縄でも、一部のカラオケ店チェーンが、18歳未満の青少年について、昼夜問わず保護者同伴でなければ入店禁止(しかも青少年1人につき、父親・母親・祖父母のいずれかとペアになっていることが必要。)、及び午後10時以前でも特例として警察の補導対象としています。また、行政側も、中学生以下の児童・生徒について学力向上のための生活規制を強化するために、青少年健全育成条例による規制強化に乗り出す動きもありそうです。
教育施策の成果と課題を検証して改善を図るという本来の目的を逸脱して都道府県間の学力競争に教育現場を走らせた全国学力テスト。結果は8月下旬に発表予定ですが、次代を担う子どもたちの心が“受験地獄”という国の政策によってゆがめられ、ひいては、昭和50年代に男子の丸刈り強制や服装の規制強化、そして現在は法律で禁止されている体罰などで児童・生徒をきつく縛った“全体主義的管理教育”の復活が懸念されることになりますが。

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2015年4月15日

バス回数券をまとめ買いしてきました

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市内区間と120円の回数券を買ってきました。(筆者撮影)
昨年10月に沖縄都市モノレールで先行導入された、沖縄初のICカード乗車券“OKICA”が、今月27日から沖縄本島内の路線バス(琉球バス交通・沖縄バス・那覇バス・東陽バス)でも利用できるようになります。これに伴い、長年にわたりバス利用者の間で利用されてきた回数乗車券が廃止されます。
沖縄本島内のバス回数券は、4社の共通乗車券として、一般用(15%割引)と学生用(25%割引)、小児用(小児運賃の25%割引)があり、市内区間用と区間を指定しない金額式の郊外線用、10枚綴りと50枚綴りと多様なタイプで販売されてきました。ほかに、那覇バスターミナルと新都心を結ぶ牧志新都心線の新都心区間(大人100円)や、那覇バスターミナルと石嶺団地を結ぶ首里城下町線の首里地域区間(大人150円)での専用回数券や、那覇バス市内線車内で販売され、毎月10人に商品券が当たる抽選券付の那覇市内区間5枚1000円回数券もあります。使用は1回の乗車につき1枚で、乗り越すときは差額の現金を足して支払いますが、本土での金券式回数券と違い、2枚以上の回数券を組み合わせての使用はできません。
しかし、本土のバス事業者は、紙の回数券から磁気式の使い捨てのプリペイドカードにかわり、さらにICカード乗車券へと進化させており、“OKICA”の導入に伴い、長年利用してもらった回数券を廃止することになりました。回数券の廃止とICカード化により、市内線、市外線、金額式、10枚、50枚といった複雑な区分けがなくなります。
問題は、ICカードに移行したあとのポイントサービス。1か月の利用実績に応じてポイント還元するものですが………。(以下ポイント還元率は大人用の料率です)
ゆいレールでは、3,000円以上で10%、6,000円以上で12%、9,000円以上で15%の還元となっているのに対し、路線バス4社は、5,000円以上で100ポイント、1万円以上で500ポイント、2万円以上で2,000ポイント、3万円以上で4,500ポイント、4万円以上で8,000ポイントという提示でした。すなわち、現行の回数券と同等の15%の還元率を受けるには、月3万円以上の利用が必要になります。これでは、長距離通勤をしている利用客の優遇にしかならず、逆に那覇市内線を中心に利用している利用客にとっては最大5%の還元率となり実質的な値上げと受け止められます。
私も先日、那覇バスターミナルが新しく生まれ変わるために閉鎖(4月6日)されたあとの、旭橋駅前の仮設販売所へ行って、回数券(市内区間・230円区間それぞれ50枚券4冊)を購入してきました。(障害者割引適用のため実際はこの半額となります)
回数券のICカード化により利便性は良くなりますが、割引率の低下で利用客の減少が予想されます。回数券の販売は“OKICA”のサービススタート前日の4月26日で終了となります。それを前に、各地の回数券販売所では、まとめ買いをしようと行列ができることも予想されます。回数券のまとめ買いは、お早めに。

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2015年4月 9日

敦賀気比高校、悲願の北陸勢初優勝!その影で大阪の名門校は………。

4月1日、阪神甲子園球場で『第87回選抜高校野球大会』の決勝戦が行われ、北陸代表の敦賀気比高校が北海道代表の東海大第4高校を3-1で下し、福井県勢として、また北陸勢として春夏通じての悲願の初優勝を成し遂げました。敦賀気比高校は、1-1の同点からの8回裏、前の日の大阪桐蔭高校との準決勝で、春夏通じて史上初の2打席連続満塁本塁打を打った松本哲幣選手が2点本塁打を打ち、優勝を決めました。
その一方で、高校野球界の名門が変わろうとしています。大阪府富田林市の高校野球名門校、PL学園高校が、風前の灯火にさらされています。
昭和31年に創部され、大阪府内でも屈指の強豪校といわれたPL学園野球部。春3回、夏4回全国制覇し、清原和博、桑田真澄、立浪和義などの名選手をプロ球界に送り出しました。甲子園大会出場時には、アルプス席で人文字応援が名物となり、また、野球以外でも、バトントワリングや剣道でも強豪として有名となりました。(昔のNHK『紅白歌合戦』で、PL学園のバトントワリングチームがバックダンサーをしていたのを覚えていますか?)
ところが平成13年、野球部の寮で上級生が下級生に暴力をふるった事件で6ヶ月間の対外試合禁止処分、さらに平成25年にも同様の暴力事件で6ヶ月間の対外試合禁止処分を受け、PL学園のイメージは下がる一方となりました。加えて、社会情勢や教育環境の変化から教団の学校運営方針が「スポーツ選手の育成強化」から「在校生徒の学力向上重視」に変更となり、推薦入学や特待生の制度も寮の廃止と同時期に全て廃止、夏季と冬季の合宿制度も全廃、練習時間も大幅に短縮・制限されるなどの構造改革が施されました。
さらに母体のパーフェクトリバティー教団(以下“PL教団”といいます)も、最盛期の昭和50年代後半に265万人いた信者も、平成24年には93万人にまで減りました。また、毎年8月1日の教祖祭の夜に行われる花火大会も、一時期2000発の花火を2時間かけて打ち上げていたのが、近年では規模も縮小気味だそうです。
そのPL学園野球部も、平成25年の暴力事件後に校長先生が野球部監督を兼任。昨年の1年生をもって、野球部の新入生受け入れを停止することになりました。そのため、今年の高校の新入生は28名にとどまりました。加えて校舎をはじめとする施設も老朽化。これでは新入生も集まるわけがありません。
こうなると、輝かしい歴史を築いていった野球部の廃部どころか、PL学園、さらにはPL教団にまで“風前の灯火”の危機が迫ってきているようです。校歌で“永遠(とわ)の学園”と歌われているのが、崩れていくようです。
今年は第1回の『全国中等学校野球大会』が開催されてちょうど100周年(戦争で中断したため回数は97回)になります。そんな中で、高校野球界に燦然と君臨してきた名門・PL学園は、その名門の座を大阪桐蔭高校に譲ろうとしているのでしょうか。その大阪桐蔭高校はこの春の選抜大会で、敦賀気比高校・松本哲幣選手の満塁弾2連発に沈みました。

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