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2010年7月 9日

NHK「大相撲名古屋場所は幕内取組のダイジェスト版だけにします」

NHKの福地茂雄会長は、7月11日から25日まで、愛知県体育館で開催される『大相撲名古屋場所』について、生放送は行わず、全取組終了後の午後6時台に総合テレビと衛星第2テレビ(BS2ch)で幕内取組のダイジェストを放送することを決定しました。
NHKではラジオでは昭和3年から、テレビではアナログテレビ放送が始まった昭和28年から、大相撲の生中継を行ってきました。また、ハイビジョンの実験放送や実用化試験放送でも、大相撲の生中継を行ってきました。さらにワールド国際放送のラジオとテレビで、日本の古典スポーツ文化としての大相撲を全世界に伝えてきました。大相撲もまた、テレビ放送の歴史と共に歩んできたのです。
しかし、昨年の名古屋場所に、向正面のたまり席(維持員席といわれ、原則として維持員以外は使用できません。)に暴力団幹部らがすわり、これがNHKの相撲中継の画面に映ることで、獄中の組関係者に存在を誇示していたことが発覚、そして大関・琴光喜関や元関脇・貴闘力の大嶽親方などが、野球賭博に関わるなど、不祥事が相次ぎ、受信料を払っている視聴者から「名古屋場所はテレビ中継しないで」「やくざと関わっている力士の相撲は観たくない」という声が多かったことから、名古屋場所の生中継をせず、代わりに午後6時台に幕内取組のダイジェストを放送することにしました。また、ラジオでも相撲中継は行わず、午後6時台のニュースや午後7時からの『きょうのニュース』、午後10時からの『NHKジャーナル』で結果を伝えるのみにとどめます。
福地会長は6日、『NHK歌謡コンサート』終了後の午後8:43からの広報ミニ番組に生出演し、視聴者に対し経緯を説明し理解を求めました。
大相撲のテレビでの放送が中止されるのは、あと1年でアナログ方式での放送終了と完全デジタル化という歴史の節目を迎えるテレビジョン放送の歴史の上でもこれが初めてです。
今回のNHK・福地会長の決断は、「やくざと関わっている力士の相撲は観たくない」という声と、「一連の不祥事を乗り越え、ひたむきに頑張っている力士達の姿を見たい。」という声の両方に対応したものだと思います。
NHKのテレビ中継取りやめだけではすまされません。幕内の取組で勝った力士への懸賞金を出すスポンサーも撤退続出、約60年続いてきた呼び出しの着物広告も、契約してきた7社すべてが引き揚げ、さらには幕内最高優勝力士への表彰も協会からの優勝旗と賞金1000万円だけとなり、天皇賜杯も授与されないばかりか、次の秋場所の前日の両国国技館での優勝額の掲額についても未定だそうです。一連の不祥事で、波及する損失額は数十億円に及ぶといわれています。横綱・白鵬関も「自分たちの手で国技をつぶすつもりなのか」と不満をぶちあげています。
福地会長は、NHKに受信料を払っている国民の、また、全世界の相撲ファンの立場から、テレビ史上初の今回の決定を下し、日本相撲協会に対し、『100年に一度の危機』という緊張感を持って、まったなしの改革に取り組むこと、とりわけ、『ガバナンスに関する委員会』が早急に具体的な改革案を取りまとめることを要請しました。
お年寄り(福地会長もその一人ですが)や全世界の相撲ファンの楽しみを奪ったり、十両以下取組の放送はなくなり、若い力士から晴れ姿を郷土に届ける希望も奪われるなど“痛み”は伴いますが、十両以上の関取だけで9名も野球賭博で謹慎休場(このうち琴光喜は解雇)を出している以上、また不祥事を受けた改革が甘いと福地会長が判断した以上、NHKのテレビ中継取りやめは当然だと思います。こうした事態となったのは日本相撲協会にすべて責任があります。
半世紀あまりにわたるテレビ放送の歴史を支えてきた大相撲。平成元年の実験放送開始に始まるハイビジョン放送でも、大相撲はその主役として位置づけられてきました。来年7月、58年間にわたるアナログテレビ放送がその歴史を終え、7年前に東名阪3大都市圏で始まったデジタルテレビ放送に、日本の伝統スポーツ文化の象徴である大相撲の発展の役割が引き継がれようとしている、その1年前に、日本の放送文化を支えてきた日本相撲協会が、暴力団等反社会的勢力集団と関わってきたということは、受信料を払っている国民により厳しく糾弾すべきだと思います。
かつてNHKは、そのシンボライズ的な音楽番組『紅白歌合戦』のプロデューサーが、番組制作費の不正流用という、受信料を食い物にした事件、また、職員が株のインサイダー取引をする事件も起こし、2度も『水戸黄門』の“葵の紋所”を突きつけられました。そのNHKは、福地会長のもとで“いつでも、どこでも、もっと身近にNHK”をスローガンに様々な改革に取り組み、視聴者に愛されるNHKになりつつあります。
今度は、アナログテレビ放送開始以来、NHKで大相撲本場所を放送してもらっている日本相撲協会に対し、“葵の紋所”が突きつけられました。そして、受信料を払っている国民の代弁者として「暴力団等反社会的勢力集団と関わることは、言語道断!」と、相撲協会幹部にきついお灸を据えたのです。そしてテレビ史上初の“生放送中止”の厳罰を下したのでした。
テレビ放送の歴史、大相撲の歴史、双方の歴史に大きな汚点を残し、また、幕内優勝力士の表彰も優勝旗の授与だけになるなど、異例ずくめの場所となった大相撲名古屋場所。残った力士・親方・スタッフの皆様には、今回の野球賭博事件のショックを乗り越え、国技を背負う者の責任を全うすべく、最後まで場所を勤められるよう希望します。
そして、私としては、現在謹慎中の武蔵川理事長は、名古屋場所の終了(同時に謹慎解除)と同時に、理事長職を辞任すべきだと思います。

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