« 甲子園に高邁自主の鐘が鳴る | トップページ | 新春アンケート企画『新春かくし芸大会フィナーレ記念』結果発表!(後編) »

2010年5月 3日

新春アンケート企画『新春かくし芸大会フィナーレ記念』結果発表!(前編)

47年間にわたって新春のお茶の間を彩ってきた『新春かくし芸大会』の終了を記念して『世論調査・みんなの声!』で行っていたアンケートの結果がまとまりましたので、ここに発表します。なお、長たらしい考察となるため前編・後編の2回に分けます。また、結果の分析・考察にかなり時間がかかり、結果発表が遅れましたことをお詫び申し上げます。

Q1.「『新春かくし芸大会』にかげりが出た時期はどのあたりだったと考えますか?」については、
1
昭和40年の第2回から総合司会を務めていた高橋圭三さんが審査委員長に回った昭和61年頃という意見と、某プロデューサーの暴走などにより番組の質が悪化してしまった平成12年頃という意見に分かれました。中には2日間2時間ずつ、計4時間の番組になった昭和58年ごろというご意見や、「わからない・どちらともいえない」というご意見も多くありました。
寄せられたコメントとしては、
・マンネリ化。多様化・細分化が進んだ結果。(30代 男性 関東)
・新春に積極的に見たい番組がほとんど無い。(40代 男性 関東)
・芸にならないかくし芸?3流役者ばかり使うから視聴者から飽きられたんだろね、いつまでも視聴率の維持は続かないよ。(50代 男性 中部)
・時期的な問題というより、長年同じようなパターンで番組を流し続けてきたため、徐々に「飽きられた」結果ということではないのか?(40代 男性 関東)
・ヤングとアダルトチームの対抗戦になった平成11年頃から急激に面白く無くなったと思った。 (20代 男性 九州)
・わざとらしいアイドルへの頑張ったからお涙頂戴構成が多くなったから。 (40代 男性 中部)
・何がかくし芸か?の定義が無くなってしまっている。 (30代 男性 近畿)
・大規模化すればするほどかくし芸ではなく、子供の学芸会化し詰まらなくなった。 (50代 男性 関東)
などのコメントが寄せられました。
『新春かくし芸大会』の歴史については『Wikipedia』の『新春かくし芸大会』の項をご覧いただくとして、ここでは私自身としての考察を話させていただきます。
FUJI-TVと渡辺プロダクションの共同制作による『新春かくし芸大会』は、昭和40年の第2回大会から、司会者に高橋圭三氏が起用され、昭和46年の第7回からは芳村真理氏が総合司会に加わりました。昭和61年からは高橋圭三氏が審査委員長にまわり、当時の夕方のニュース番組『FNNスーパータイム』のキャスターを務めていた逸見政孝氏が総合司会に加わりました。
まさにこの時期が『新春かくし芸大会』の全盛期。昭和50年代は、さまざまな芸能プロダクションから人気タレントがたくさん出演し、漫才、曲芸、外国語ドラマ、洋舞など、多彩な“かくし芸”を披露していました。昭和55年の第17回大会では、関東地区での視聴率が48.6%にも達しました。昭和58年から5年間は、2日連続の2部制がとられ、2日間、合計4時間を越える番組となりました。
平成2年の第27回大会を最後に、総合司会の逸見政孝氏と芳村真理氏、審査委員長の高橋圭三氏が勇退、翌年の大会から、堺正章さんなどのキャプテンが進行役をかねたところから、『新春かくし芸大会』にかげりが出始めたというのが、私の考えです。昭和40年代後半からのアイドルブームが去り、民放各局の歌謡音楽番組が相次いで廃止、FUJI-TVの『夜のヒットスタジオ』も例外ではなく、平成3年3月に廃止となりました。芸能界は“アイドル冬の時代”を迎えました。
その後、平成9年の第34回大会では、中居正広さんを総合司会者に、SMAPのメンバーを両軍のキャプテンに起用し、放送時間を午後7:00~11:08までの4時間8分とし、対戦数を7に減らし、ひとつひとつの演目をじっくり観てもらう構成にしました。
平成15年の第40回大会からは、みのもんた氏を総合司会者に迎え、前の年までのヤング・アダルト対抗から東西対抗にもどしました。
このような“てこ入れ”を施されながらも“新春の風物詩”として長い歴史を歩んできた『新春かくし芸大会』も、ついに大幅な縮小を余儀なくされます。平成20年秋、米国の最大手証券会社、リーマンブラザーズの経営破たんの影響で、全世界的な不況となり、日本のテレビ業界もスポンサーの広告抑制の波をもろにかぶりました。
このため、翌平成21年の第46回大会では制作予算も大幅カットされ、総合司会者のみのもんた氏も降板、高島彩アナウンサーさんによる進行となりました。出演者もワタナベエンターテイメントなど、渡辺プロ傘下の芸能事務所に所属するタレントとFUJI-TVのアナウンサーに限られ、演目も6演目に減り個人戦となりました。番組形式も13年ぶりの生放送となり、あらかじめ収録した“かくし芸”を見せ、採点は生放送で、視聴者にも審査に参加できるようにしました。結局、視聴率は史上最悪の8.6%となりました。
2
FUJI-TVのバラエティ制作センターも、『新春かくし芸大会』が昨今のご時世に合わなくなったものと、ようやく気がついたのでしょうか。
アンケートで寄せられたコメントにもあったように、20年前のレンタルビデオの登場、そして15年前のインターネットの登場など、“娯楽の多様化”が進み、若者のテレビ離れが加速化、一方で、「“かくし芸”の定義がわからない」とか、「規模の拡大で小学校の学芸会みたいな、つまらない番組となってしまった。」(とりわけ、昨年のワタナベエンターテイメントの若手男性タレントで構成する“D-BOYS”とFUJI-TVの若手男性アナウンサーによる“イケメン新体操”がこれに当てはまります。)などの厳しいご意見が、視聴者の皆さんから寄せられました。
昭和から平成に変わった後のアイドルブームが去り、中居正広さんやみのもんたさんを総合司会者に起用するなどのてこ入れを施されながら生きながらえてきた『新春かくし芸大会』も、全世界的な不況と娯楽メディアの多様化には勝てず、また“スター”と呼ばれるタレントも、現在ではSMAPなどごくわずかという、昨今の芸能界の状況もあり、今年、47年間の歴史に幕を下ろしてしまいました。
そして来年7月、半世紀あまりにわたり戦後日本の文化を支えてきたアナログテレビ放送の歴史も終わろうとしています。そして、テレビは本格的なデジタル放送時代を迎えます。かつて、『芸能人水泳大会』などのバラエティ番組などでテレビ界を引っ張ってきた“テレビの冒険王・FUJI-TV”も、“本格的なデジタル放送時代に見合った娯楽番組”の企画・制作を迫られることになります。
『新春かくし芸大会FOREVER』の番組の最後で、ナレーターの奥田民義さんは「今日でいったん幕を下ろす“かくし芸”。でも、なくなるわけではありません。なぜなら、がんばっている姿は、いつだって見る人の心を打つからです。だから、次の始まりまでさようなら。そして、かくし芸、FOREVER!」と、番組を結んでいました。私は、このナレーションからすれば、現在の『新春かくし芸大会』としてのスタイルでの番組は今年で最後となりますが、私たちは来年以降別の形で、芸能人が様々な芸でがんばっている姿を伝えたいと思っています、と受け止めております。
しかし、不況でスポンサー難である上、“スター”と呼ばれるタレントもいないという昨今の状況下で、現在のFUJI-TVのバラエティ制作センターに、“本格的なデジタル放送時代に見合った娯楽番組”が作れる力はあるのでしょうか?

Q2.「在京キー局・在阪準キー局の中で、本格的なデジタル放送時代に見合った娯楽番組を制作しうるテレビ局は?(複数回答)」については、
3
『新春かくし芸大会』は終わりましたが、依然としてFUJI-TVが6票の支持を受けております。また、「在京キー局・在阪準キー局すべて該当せず」という意味での“白紙票”も23票寄せられました。
寄せられたコメントとしては、
・残念ながらどこの局も該当しない (60代以上 男性 中国)
・昔のように一家団欒でTVを見て世代に関係なくある程度共通の話題を共有できた時代は貴重と思っている。多様化・細分化はそれはそれで良いのだが、世代に関係なく共有できる話題が減ったのはコミュニケーションの断絶を意味するのではないかとも思う。これはネットでも同じだよ。好きなサイトだけに入り浸ることはできるが、共通の話題を共有する機会が減っていく。(30代 男性 関東)
・適当な局等は見当たらない。今でも良い番組が無いのだから、これから良い番組が出来る事の期待が出来ない。(40代 男性 関東)
・隠し芸大会なんて観ない。芸能人がガチャガチャ出てきて騒ぐだけの番組なんて観ない。 (30代 男性 関東)
など、こちらにも厳しいご意見が寄せられました。
4
『新春かくし芸大会FOREVER』は9.2%の視聴率に終わりましたが、レギュラー番組の新春スペシャル版の視聴率は高くなっています。このことからも、次の世代の番組が育ってきていることが伺えます。
しかし、リーマンショックの影響や、若い世代のテレビ離れが顕著になり、広告効果が薄れて民放各社の収入は減る一方となり、バラエティ番組に強みを持つFUJI-TVも例外ではありません。月曜日午後7時からの『ネプリーグ』が高視聴率をマークしているものの、スポンサー難であり、制作費の低額押さえ込みという厳しい環境にあり、予断は許されません。
Q3以降については、後日後編でお伝えします。

|

« 甲子園に高邁自主の鐘が鳴る | トップページ | 新春アンケート企画『新春かくし芸大会フィナーレ記念』結果発表!(後編) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 新春アンケート企画『新春かくし芸大会フィナーレ記念』結果発表!(前編):

« 甲子園に高邁自主の鐘が鳴る | トップページ | 新春アンケート企画『新春かくし芸大会フィナーレ記念』結果発表!(後編) »