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2009.01.12

NHK教育テレビ50歳の誕生日

今から50年前の昭和34年1月10日、東京タワーの完成に合わせ、NHKは国民の教育・文化の向上を目的として教育放送専門のチャンネル、“NHK教育テレビジョン”の放送を開始しました。1月10日はNHK教育テレビの50歳の誕生日でした。
NHK教育テレビは、アニメなどの子供向け番組から理科や音楽などの学校放送番組、英会話などの外国語講座、トップ棋士50人が1年間通してトーナメントを繰り広げる囲碁・将棋番組、生活を豊かにする趣味講座、手話ニュースなどの福祉番組、高校野球やマイナースポーツなどのスポーツ番組に至るまで、国民の教育・文化の向上に大きく貢献してきました。
NHK教育テレビの開局50周年を記念して、NHKは今年1年、記念特集番組を放送していきます。今週はそのプロローグとして、ゴールデンタイムで若者向け番組、子ども番組、学校放送、教養・文化番組、趣味・実用番組の各ジャンルに分けてなつかしの番組を放送するなど、開局50周年記念の特別番組を放送しました。10日も3:00PMから、『おかあさんといっしょ』などのNHKの番組から生まれた歌を特集し、特別ゲストとしてFUJI-TVの番組『BE ポンキッキ』のガチャピン・ムックも出演する『あつまれ!キッズソング50 ~スプー・ワンワン 宇宙の旅~』を、8:00PMから、悩みを抱える親や子を迎え、数多くの親子を描いてきた作家の重松清さん、みずからも母との関係に悩んだという東ちづるさんたちとともに、今の親と子を巡る環境、社会はどんなサポートをするべきかなどについて、生放送で語り合っていく『子どもサポートネット 親と子を支えるために』の2つの開局50周年記念特別番組が放送されました。
また、NHKでは開局50周年記念事業として、“もう一度みたい教育テレビの番組”のリクエスト募集を開始します。視聴者から“もう一度みたい教育テレビの番組”を、当時の思い出とともにリクエストしていただき、これをもとにかつての番組を特集で放送するとともに、“50年の歳月をこえられるのはどんな番組なのか”というこれからの教育テレビの放送を考える上での大切なヒントを得ようというものです。詳しくは“ETV50”でWEB検索してホームページをご覧ください。
さらに、3月にはNHK教育テレビと、FUJI-TVがコラボを組む画期的な企画が登場します。
3月21日の深夜に教育テレビで放送される『真剣中年しゃべり場』と、今年3月1日に開局50周年を迎えるFUJI-TVの深夜番組『MANNINGEN』の出演者が、相互に乗り入れ、さらにコラボのまとめ番組を両局で同時放送するというものです。NHK教育テレビとFUJI-TV、ともに“50歳”を記念するこの企画が注目されます。10日の『土曜スタジオパーク』には、『MANNINGEN』を担当するFUJI-TVの戸部洋子アナウンサーが出演し、この企画を発表しました。
その一方で、教育テレビの放送時間のあり方が取りざたされています。
昨年7月6日、NHK教育テレビは、翌7日に全国各地で行われる“七夕ライトダウン”に賛同するとして、この日の放送を11:00PMに終了しました。また、12月29日には放送時間を0:30~9:30PMの1日9時間に短縮しました。NHKが昨年1年間にわたって取り組んできた『地球エコ2008』キャンペーンの一環として、電力の消費による二酸化炭素排出量の削減に取り組むための措置でした。
10年前まで、NHK教育テレビの放送時間は、6:00AM~0:00AMでした。平成11年、当時の海老沢勝二会長は、教育テレビの放送時間の拡大に乗り出し、平成11年には5:00AM~深夜2:00までに、さらに平成12年には24時間放送にまで拡大しました。しかし、音楽番組のプロデューサーが番組制作費を流用したなど一連の不祥事が続発、受信料支払い拒否が相次いだことから、教育テレビの24時間放送の見直しが行われ、深夜の一部時間帯の放送休止となりました。そして、昨年は地球環境保全の一環として、教育テレビの放送時間短縮の取り組みがなされ、今年10月には週末を中心に深夜放送終了時間の繰り上げがなされ、このうちアナログ放送については放送休止中に電波を止める措置もとられました。
私は、12月29日に教育テレビの放送時間短縮の措置をとったときに、NHKに意見のメールを送りました。
そのメールは、教育テレビの放送時間についての申し入れでした。
・アナログ放送について、放送時間を10年前の水準の6:00AM~0:00AMに戻し、このうちアナログ放送のみ、午後の時間帯に1時間程度放送中断の時間を設けること。
・デジタル放送については、これまでどおりの放送時間とし、アナログ放送が放送中断する時間も放送を継続する。また、平日の夜の時間帯や土曜・日曜日のマルチ編成も充実したラインアップを用意する。
・旭川・北見・帯広・釧路・室蘭・函館の教育テレビを札幌放送局の中継局に格下げ(コールサイン廃止)。
なぜこの申し入れをしたかといいますと、アナログ放送はデジタル放送の5倍の出力が必要(たとえば、東京教育テレビジョン“JOAB-TV”は映像出力50kW・音声出力12.5kWで放送しているのに対し東京教育デジタルテレビジョン“JOAB-DTV”は送信出力10kWで放送しています。)であるうえ、アナログ放送は国の方針で、あと2年半で終わることになっているからです。実際、12月29日に1日9時間の放送時間短縮をやっていたときも、デジタル放送はグレー画面のまま電波を出していたのですから。もし、次回このような放送時間短縮を行うのなら、視聴者にデジタル対応テレビの準備を促すためにも、アナログ放送だけを対象としデジタル放送は通常通りの放送をしてはどうかと、私は思います。
民放テレビが刺激的娯楽番組のぶつけ合いを繰り広げ、視聴率競争の結果民放各局とも視聴率が下がり、今年度の上半期にはついにNHK総合テレビが午後7時~10時のゴールデンタイムで視聴率1位となりました。50年前にNHK教育テレビの放送を始めたとき、その趣旨に「企業競争の結果起こりがちな、刺激的娯楽番組の悪影響から、青少年を守り、その人間的成長に役立つような、教育、教養番組を拡充してほしいという、一般視聴者からの、極めて強い要望に応えようとしたものである。」としています。民放テレビが“視聴率低迷”“制作費カット”などと暴走している今こそ、NHKはそんなよりよい番組の拡充に努めてほしいと思います。昨年の『紅白歌合戦』で、家族揃って楽しめる番組だったと評価されたのですから。
放送を通じて国民の“学びたい”という意欲に答えることにより、国民の教育・教養・文化の向上に大きく貢献してきたNHK教育テレビ。次世代の教育番組のあり方を模索していく一方で、地球温暖化につながる二酸化炭素排出の抑制を目的とした放送時間短縮の課題を抱え、次の時代への旅立ちは前途多難のようです。

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