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2005年10月21日

もし、楽天とTBSが経営統合をするなら?

最近、ニュースをにぎわせているのが大手インターネット関連会社、楽天が東京の大手民放のTBSの株を大量取得した上で、楽天の三木谷浩史社長がTBSに対し共同持ち株会社を設立して経営統合しようと持ちかけているというのが話題になっています。
経営統合によって、ドラマなど優れた制作力を持つTBSのコンテンツのインターネット配信をはじめ、テレビ・ラジオ放送とインターネットの融合により、世界に通用するメディア企業を目指すのがねらいだといわれています。
では、もし楽天とTBSが経営統合すれば、どんな方式になると考えられますか?
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上の図を見てください。
楽天は、平成9年に設立され、インターネット仮想商店街事業を主力事業に企業買収戦略を図り、証券(元DFJ証券)、クレジット(元国内信販)、ポータルサイト(インフォシーク)と企業買収を進めてきました。昨年はプロ野球“東北楽天イーグルス”を設立、今シーズンは最下位に終わりましたが、地域の球団として定着しつつあります。
一方、TBSは昭和26年12月25日にラジオ放送、昭和30年4月1日にテレビ放送を開始、今年はTBSテレビ開局50周年ということで、記念の特別企画が多数放送されています。平成12年4月に多チャンネル時代を控え、独立採算をとり、コスト削減を図るためにラジオ放送部門を切り離し、またテレビ制作部門も娯楽番組と社会情報番組、スポーツ番組の3分野ごとに分社化、平成15年10月にはテレビ制作部門3社を統合した上で編成・営業の現業部門を委託化し、本体は事実上、持ち株会社となっています。
楽天・TBS両方とも傘下にグループ会社を持つ企業グループとなっていることから、もし、楽天とTBSが経営統合することになれば、双方がすべての事業を切り離して持ち株会社になった上で、その持ち株会社同士が合併するような方式がとられると思います。
TBSは平成12年4月にラジオ放送部門を切り離し、平成15年10月には同時に切り離したテレビ制作部門3社を統合してTBSテレビとした上で編成・営業の現業部門を委託化し、本体にはテレビ放送免許や著作権管理部門・業務統括部門などが残っているだけで、TBSテレビは事実上、将来持ち株会社になるに際しての“事業承継準備会社”にすぎないといわれています。多チャンネル化をにらんで分社化戦略をとっているため、楽天との経営統合に際しては、本体に最後まで残っているテレビ放送事業部門を会社分割(分社型吸収分割・ただし総務省の承認が必要)によりTBSテレビに承継させた上で、TBSそのものを純粋持ち株会社とすることでしょう。
また、楽天もインターネット仮想商店街事業などすべての事業を2~3社ほどの子会社に分割(例えばインターネット仮想商店街事業を行う事業会社を仮に“楽天市場株式会社”とでもしておきます)、事業によってはすでに買収で得た既存のグループ会社に統合した上で、純粋持ち株会社となります。
そして、純粋持ち株会社となった両社が対等合併し、“楽天TBSホールディングス株式会社”(仮称)となります。
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このようにして“楽天TBSグループ”は、インターネット仮想商店街やテレビ・ラジオ放送を中心に、衛星放送、ポータルサイト、証券、クレジット、プロ野球、コンテンツ制作などの事業会社を傘下におさめる巨大“総合ITコングリマット企業グループ”として誕生することになるでしょう。
ただ問題なのが“プロ野球”事業です。
楽天は“東北楽天ゴールデンイーグルス”、TBSは“横浜ベイスターズ”をもっています。仮に上記の方法で経営統合した場合、野球協約の「一つの企業グループが複数の球団の経営権を持つことはできない」というのに抵触します。したがって経営統合した場合、“東北楽天ゴールデンイーグルス”“横浜ベイスターズ”どちらかの株を手放さなければなりません。
こうした中で、大手ブロードバンド通信事業会社、USENが横浜ベイスターズの買収に乗り出したことが最近になって明らかになりました。
このUSEN、つい最近までは“大阪有線放送社”とという名前で有線による音楽放送を主力としていましたが今年3月、USENという名の“ブロードバンド通信事業会社”にその姿を変えてしまいました。そして楽天同様、USENも買収戦略で巨大企業グループになりつつあります。
USENの宇野康秀社長は「プロ野球は(動画配信事業の)視聴者獲得に有力なコンテンツ。放映の自由度を高めるために横浜ベイスターズと資本関係や経営に近い環境を構築できればいいと一方的に思っている。」と語り、横浜球団への資本参加を前向きに検討していました。しかし、横浜球団のオーナーでTBSの若林貴世志副社長は売却の可能性を否定した上で、「ソフトとしての野球に興味をお持ちなんだなと素直に受け取った」と語りました。
楽天によるTBS株の大量取得で始まった楽天とTBSの経営統合問題、今後、プロ野球再編にも発展しそうな感じで、今後の成り行きが注目されます。

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2005年10月19日

浦添高校が大学入試センター試験完全義務化へ

沖縄県立浦添高校が2007年(現在の2年生)から、学習効果向上などを図るため、3年生全員に対し大学入試センター試験を受験させる方針を13日までに固めました。3年生全員に大学入試センター試験を課すのは県内で初めてで、推薦入試で大学入学が既に決まっている生徒や専門学校、就職など大学以外の進路を志望している生徒もすべて対象となります。14日付けの琉球新報がスクープしました。
浦添高校では、今年3月までの仲筋一夫校長に代わり、4月から今井敏彦校長が就任しました。その今井校長が提案し、教職員らからなる「(大学入試センター試験全員受験)推進委員会」を設置して実施に向けた計画や課題の克服などを検討しており、少なくとも本年度中には具体的な計画を決定する予定となっています。
今井校長は「センター試験は、高校の学習内容が確認できる質の高い問題が出題される。試験を目標に設定することで学習の意欲や効果が高まる」と狙いを説明。「県教委へも理解を求めた上で決めたい」と話しています。同校は、全員受験について説明する通知文を8月29日に生徒へ配布し、今月21日には1、2年生の保護者を対象に説明会を開き、父兄の理解を求めようとしています。
確かに、日本の大学生の学力が低下しているのを背景にさまざまな対策がとられていますが、沖縄県内で初の試みとして3年生全員に大学入試センター試験を課す高校が登場しました。
浦添高校も、近年は那覇国際高校が開校した後、沖縄国際・沖縄・名桜の各私立大学への合格者が多くなり、逆に琉球大学をはじめとした国公立大学への現役合格者が少なくなっているのが現状です。私立大学には推薦入試制度も充実しており、推薦入試で進学していく生徒も多いといいます。こうした中で、那覇国際高校や沖縄尚学高校などの進学校に太刀打ちできるように、学習効果向上などをはかり、センター試験を目標に設定し、学習の意欲や効果を高めようというねらいで来年の3年生から受験完全義務化することになったものといえます。
確かに、大学入試センター試験は国公立大学受験者にとっては1次試験として必須であり、私立大学もこの大学入試センター試験の成績を利用して入学者の選抜を行う大学が増えております。その数は全私立大学の約8割に達し、沖縄国際大学、沖縄大学、名桜大学でも例外ではありません。ただ、必ずしも大学入試センター試験を受験しなければならないとは限らなく、受験科目も国公立大学の5教科7科目以上(再来年の入試では、京都大学など5大学の医学部が、理科は物理・科学・生物の3科目全部必須とするようです。)を受験しなければならないのに対し、文系は英語・国語・社会1科目、理系は英語・数学・理科1科目の3教科3科目が多く(難関大学では5教科を課すところもあります)、しかも個別学力検査は課さないのが多いようです。むしろ私立大学は多くの場合、推薦入試やAO入試も取り入れており、大学入学者の選抜方法が多様化しています。もちろん国公立も例外ではありません。
大学入試センター試験の完全義務化のため、浦添高校では今後、私立大学受験の場合、推薦入試やAO入試での出願は事実上できなくなり、大学入試センター試験利用入試を受験させることになるでしょう。(ただ、大学入試センター試験利用入試の選抜枠は入学定員全体の約1割程度で、高倍率の可能性が高いため、一般入試との併願を勧めます。)
また、専門学校、就職など大学以外の進路を志望している生徒もすべて対象となっているため、生徒や父兄からの反発は必至と見られています。専門学校、就職などを希望している人にまで大学入試センター試験の受験を強制するのはどうか、という疑問も出ています。私もその一人です。今井校長は「センター試験を活用し、どの進路に進んでも重要な基礎を徹底させることが目的。」としていますが、大学入試センター試験は大学受験が目的である上、3教科以上受験で18,000円の検定料がかかるため、全員必修化は慎重に対処してもらいたいと思います。また、来春浦添高校の受験を考えている中学生にも「浦添高校への志願者は国公立大学を第一志望とするものに限る」としようとしてるのでしょうか?
今井校長は現在部分的な利用にとどまっている私立大学でも将来国公立同様、センター試験義務化(それも5教科7科目以上)の上で個別学力検査を組み合わせる、すなわち日本でも韓国の“大学修学能力試験”同様の入試制度になると、日本の大学入試制度の将来像を予測していることから、“大学入試センター試験の受験完全義務化”を打ち出したのでしょう。沖縄県教育委員会にも要請し理解を求めようとしています。
日本の大学生の学力が低下している中で、浦添高校が打ち出した“大学入試センター試験の受験完全義務化”。それは興南高校や沖縄尚学高校などの進学校が乱立する中で、普通の高校から進学校への変革への挑戦といえるのでしょうか?

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2005年10月16日

郵政民営化法案、ついに成立。

小泉政権最大の懸案だった郵政民営化法案が14日の参議院本会議で、自民・公明両党の賛成多数によって可決・成立しました。衆議院への法案提出から成立まで、わずか3日という異例のスピード成立でした。これによって、長らく官営事業として行われてきた郵便・貯金・簡易保険の郵政3事業は、平成19年9月30日をもって130年あまりにわたる歴史に幕を閉じ、翌10月1日からは、日本郵政株式会社という名の持ち株会社のもとに、郵便事業会社、窓口ネットワーク事業会社、郵便貯金銀行、簡易生命保険事業会社の4つの事業会社が、事業を引き継ぎます。
郵政民営化法案は、先の通常国会に提出されたものの、参議院本会議で自民党にも反対派議員が出たために否決・廃案となり、小泉首相は衆議院の解散・総選挙に踏み切りました。その結果、自民・公明両党合わせて総定数480議席の3分の2以上を占め、民主・共産・社民などの野党もいっさいの抵抗もできないほどの“巨大与党”が誕生したことになります。すなわち、小泉首相は、郵政民営化をはじめとする構造改革に抵抗しようとしている議員を選挙によって排除し、自民・公明両党合わせて320を超える議席をかすめ取り、構造改革をすすめやすくしたわけです。郵政民営化法案の成立を受け、今後、小泉首相は国と地方の税財源のあり方を見直す三位一体改革や医療費抑制、政府系金融機関の統廃合などに全力を挙げようという考えです。その一つとして、障害者への福祉サービスを一元化し、利用者に原則1割負担を求める障害者自立支援法案が今国会に提出され、審議は参議院から先に行われ、14日の参院本会議で可決されました。今後、衆議院に送られますが、全議席の3分の2以上を占める“巨大与党”の前にあらゆる抵抗はできず、成立する見通しです。
さて、郵政民営化の決定を受け、民営化までの2年足らずの間に、どんな移行措置がとられるのでしょうか?
まず、日本郵政公社は平成19年9月30日を期して解体され、翌10月1日には、日本郵政株式会社という名の持ち株会社のもとに、4つの事業会社が発足します。
郵便事業株式会社は、郵便・小包の集配業務を行います。僻地・離島を含む日本全国津々浦々までのユニバーサルサービスの義務が課されます(小包業務は除外)。また、郵政公社時代からの懸案だった国際物流事業にも進出します。
郵便貯金銀行と簡易生命保険会社は、郵便貯金と簡易保険の業務を引き継ぎますが、民営化後の新規契約・預け入れ(通常貯金については民営化以前でも)は政府の保証は付かなくなります。今後段階的に新規の金融事業や保険商品のサービス拡大を図っていく予定です。また、民営化10年後の2017年9月までに、持ち株会社は郵便貯金銀行と簡易生命保険会社の全株式を放出することになっています。
郵便局株式会社は、窓口業務を担当します。これらの3つの事業会社の業務を受託するこの会社が、国民と直接接する会社となります。これらの業務の他、市町村の戸籍謄抄本・住民票の請求受付、NTT東西のサービス注文受付業務、各種公共料金の支払い業務、旅行代理店業務、コンサートやスポーツのチケット販売に加え、大都市郵便局局舎を建て替えて高層化して不動産の賃貸、リフォームの仲介業など、全国24,000ヶ所あまりの巨大ネットワークを活かして、郵便局をコンビニエンスストア化し、業容の拡大を図っていく予定です。いずれは大手コンビニエンスストアなどとの業務提携・経営統合、地域別の会社分割、社員の給与水準の引き下げなども予想されます。また、集配業務を行わない特定郵便局や過疎地・僻地・離島など不採算郵便局の整理・統廃合も予想されます。
次に、人員は現在全国で約262,000人が働いていますが、これを民営化までに1万人削減し、252,000人体制もしくはそれ以下となる予定です。平成15年4月の公社としての4年半で、通算3万人が減ることになります。そして平成19年10月の民営化会社発足と同時に、国家公務員の身分をはく奪されます。昭和62年に旧国鉄が分割・民営化されJRになろうとしていたとき、当時の中曽根康弘首相および国鉄当局は、敵対関係にあった国労の組合員に対し国労脱退を強要し、脱退に応じなかった組合員に対しては、人材活用センター送りにして草むしりなどの雑用に従事させ精神的苦痛を与えて退職に追い込みました。そして国労を少数組合に追い込みました。おそらく小泉首相および生田郵政公社総裁も、旧国鉄同様の行為によって労働組合潰しを行うことになりそうです。職員の4事業への振り分けは、来年1月に発足する持ち株会社のもとに民営化準備委員会が設置され、同委員会が決定されます。郵政公社の正規職員はいったん郵政公社を退職して、4つの事業会社に応募し、採用されることになりますが、旧国鉄同様、民営化に反対する勢力は排除されることになります。
正規本務者以外にも約12万人の非常勤労働者(いわゆる「ゆうメイト」)が郵便の現場で働いています。正規本務者の約半額の賃金の上、各種社会保険にも入れず、各種権利ももたないゆうメイトはいったん雇用契約を打ち切られ、民営化前に持ち株会社のもとに設立される人材派遣会社に登録して民営化前は日本郵政公社、民営化後は主として郵便事業会社や窓口ネットワーク事業会社に派遣されることになりそうです。民営化後、正規職員は大幅に減らされ、かわりにゆうメイトに置き換えということが加速され、現在32%であるゆうメイトの比率が拡大されることが予想されます。
すでに多くの集配業務を行う郵便局では集配業務にトヨタ生産方式(いわゆるJPS)が導入され、椅子などは撤去され、長時間の立ち仕事が強要され、その結果過労死となる内務職員が出たといいます。また、販売ノルマも過酷になり、営業成績が悪ければ局長から恫喝されて精神的に追い込まれ、自殺する職員も続出しているといいます。郵政公社当局は、“JPS”と“販売ノルマ”という労働強化で、約262,000人の正規職員と約12万人いるというゆうメイトを強引に支配しているのです。そして民営化までにある程度のリストラをやっておきたいというのが、郵政公社当局の考えです。
平成13年の内閣総理大臣就任以来、年金制度改革や三位一体の改革など、日本再建という課題に取り組んできた小泉純一郎首相。郵政民営化法案の成立を受け、政府系金融機関の抜本的改革や消費税・サラリーマン増税など、国民生活を脅かす構造改革が、国民を待ち受けているのです。

【関連リンク】
郵政民営化でどう変わる?
(NHKテレビ『週刊こどもニュース』)

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2005年10月14日

いい加減に合併しろ!旧JAL&旧JAS

JALグループ傘下の2つの航空運送事業会社、日本航空インターナショナル(以下「JALインターナショナル」と言います)と日本航空ジャパン(以下「JALジャパン」と言います)が、来年のちょうど今頃、来年10月に合併することになりました。
平成14年10月、旧日本航空と旧日本エアシステムが共同で「日本航空システム」という名の持ち株会社を設立し、経営を統合しました。その後、両者傘下の業務会社が合併、平成16年4月、旧日本航空はJALインターナショナル、旧日本エアシステムはJALジャパンとなり、さらに7月の株主総会後、持ち株会社の日本航空システムが現日本航空となり、現在に至っています。
しかし、今年に入って航空管制を無視して勝手に離陸したり、ドアモードの切り替えをしないまま離陸し、飲物のサービスをしているときにホットコーヒーが1歳児にかかって大やけどを負い、到着後の救急車を手配しなかったりするなどのトラブルが相次いでおり、その極めつけが、先日もこのブログで話したように、8月12日、しかも512人の犠牲者を出したジャンボ機墜落事故からちょうど20年目のこの日、福岡発ホノルル行きのジャルウェイズ58便のDC10型機が離陸直後にエンジンから火を噴いた上に周辺にエンジンの破片をまき散らしたという事故、しかも8月30日には同じ便で空調機器にトラブルが発生して関西空港に緊急着陸後、運航取りやめというアクシデントを起こしてしまいました。このため、せっかく楽しみにしていた旅客を落胆させたり、他社に客が流れるという悪循環がつづいています。その福岡-ホノルル線など採算の悪いリゾート路線は先日、廃止され、残る成田・中部・関西とホノルルを結ぶ路線もジャルウェイズに移管されました。
JALグループをめぐっては、先日のとある経済専門週刊誌で、「JALグループの機材は古い」「新機種の導入発表が全日空より遅く後手後手に回っている」などと叩かれました。確かに、JALの機材の中には、旧型のB747やDC10型もあり、羽田-那覇線の一部の便には、旧型のB747が就航しており、その飛行機は2階席がスーパーシートとして設定されており、これがそのままクラスJに転用されています。このため、他の機種が62~80席設定されているのに、旧型のB747は27席と少なくなっています。これもいずれ、2~3年以内に退役させるために改装しなかったことでしょう。現在、航空燃料の価格が高騰していることから、旧型のB747やDC10型は、燃費効率が悪いとして、早期に退役させることでしょう。すでに、旧型のB747の3機が、来月までに退役、DC10型も来年春までに退役することが決まっています。
また、機材や労働組合の問題もあります。平成16年4月、旧日本航空はJALインターナショナル、旧日本エアシステムはJALジャパンになりましたが、国際線と国内の感染(新千歳・羽田・成田・伊丹・関西・福岡・那覇を相互発着する路線)はJALインターナショナル、その他の主要国内路線はJALジャパンが運航しており、両者の国内線の便名はJAL便に統一されて運航されているといわれていますが、商号が変わっただけで依然として旧JAL、旧JASの体質は変わっていません。機材構成でも、JALインターナショナルはB747-400とB767-300型、JALジャパンはA300型とMD81、MD87、MD90型(これらを総称して「MD機種」と言います)が主流で共通運用はB777のみとなっています。
さらに、旧JASの労働組合(特にパイロットの労働組合)は強く、これが経営の足かせになっているとも言われています。JALグループには現在会社側の労組が2つと反会社側の労組が8つ、合計10の労組が存在しているといわれています。このため、会社側は“オールJALジャパン労働組合”をつくり、反会社側労組の組合員の移籍を促しています。JAL持ち株会社としては、来年10月の合併前にこうした会社側に抵抗する勢力を現場から一掃したい考えで、今後こうした8つの反会社側労組へのリストラ攻撃(すなわちアウトソーシング導入による出向発令など)やオールJALジャパン労組への移籍促進などの分断工作が施されることになります。現在、平成20年3月までに中核2社を中心に、グループ全体で8000人の人員削減を行っており、おそらくJALジャパンをはじめとする抵抗勢力がリストラの対象となるのは確実です。今月1日にハワイ路線やバリ島路線のジャルウェイズへの移管もその一環といえます。ジャルウェイズだったら賃金の安い外国人乗務員を有効活用できるからです。また、合併前にMD機種をジャルエクスプレス社に移管させる(後にB737-800型に置き換え)考えもあります。
JALグループの今上半期の営業状況は、原油価格の高騰で国際線は採算悪化していますが、沖縄方面は前年より利用客が増えています。今のJALグループは、沖縄でしか食っていけない状況が続いています。しかも、あれだけトラブルも続いている上に、公にも1社としていわれているだけに、私としては「いい加減に合併しろ!」といいたいです。
また、JAL持ち株会社は来年4月に傘下の販売統括会社“ジャルセールス”を解体して統合すると発表しています。“ジャルセールス”は、傘下の航空会社の他に国内旅行事業会社“ジャルツアーズ”や海外旅行事業会社“ジャルパック”などの航空券やパッケージツアーなどの販売を受託していましたが、来年4月に“ジャルセールス”を解体し、海外旅行販売業務をジャルパックに、国内旅行販売業務をジャルトラベルなど4社に、いずれも会社分割制度により承継させ、残った航空券販売業務をJALインターナショナルに吸収合併させることになります。

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