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2005年7月21日

FUJI-TVアナが未成年出演者に飲酒を?

FUJI-TVの女子アナが、とんでもないことをしてしまいました。
7月14日の夜から15日の未明にかけて、宮城県仙台市でFUJI-TVの菊間千乃(きくま・ひさの)アナウンサーとスポーツ局のスタッフが、ジャニーズ事務所所属の人気アイドルグループ“NEWS”の未成年メンバーを誘って飲酒させていたことが発覚しました。
7月13日から18日まで、仙台では女子バレーボールのワールドグランプリの決勝リーグが行われており、FUJI-TVではこの模様を独占中継していました。
14日の午後9:00、バレーボールの中継放送が終わった後、“NEWS”のメンバーのうち6人は翌日の都合で東京へ戻りましたが、大阪支社所属だった2人は大阪での仕事があるために、仙台に宿泊していました。“NEWS”のメンバーは東京や大阪と仙台の間を行ったり来たりのハードスケジュールをこなしていました。
翌朝の飛行機で大阪に向かうため仙台に残っていた2人は仙台市内の飲食店でスポーツ局員5人と食事や飲酒をともにしていました。メンバー2人は宿泊先のホテルに戻りましたが、別の場所で複数の女友達と私的な飲み会を開いていた菊間アナが、電話で未成年メンバーだけを呼び出し、15日午前1:30ごろから飲酒しました。未成年メンバーは1人でホテルに帰ろうとしましたが、仙台市内の公園で酔って騒ぎ、地元の警察に補導されました。
これを受けたジャニーズ事務所はこの未成年メンバーを無期限の謹慎処分としました。この結果、彼が出演中だったKTV(関西テレビ放送)制作のドラマ『がんばっていきまっしょい』(沖縄はOTVが毎週火曜日の深夜0:40に放送)も、19日の第3話の放送では彼の出演部分をカットして放送、26日の第4話からは代役として田口淳之介さんが出演することになりました。番組も構成上1話短縮され、8月2日放送分は“特別編”になる予定です。またKTVが近畿ローカルで放送している深夜番組『ほんじゃに!』も、彼の出演部分をカットして放送しました。おそらく、年内は謹慎は解除されず、最悪の場合、任意引退の可能性もあるでしょう。そのため、“NEWS”は当分の間、いや今後も7人での活動を余儀なくされることでしょう。
そしてFUJI-TVでも菊間アナウンサーをはじめスポーツ局のスタッフ5名に加え、鈴木克明編成制作局長や、山田良明常務取締役(かつて第1制作部でドラマを制作していました)など3人の役員を含む10人が減俸・減給の処分(期間などの詳細は非公表)を受けました。そして菊間アナウンサーは、沖縄では放送されていませんが、レギュラー出演していた朝の情報番組『こたえてちょーだい!』も降ろされました。今週末には、23日の午後7:57から24日の午後8:53まで、『25時間テレビ』の放送が予定されておりますが、当然のことながら菊間アナウンサーは出演禁止となるでしょう。おそらく菊間アナウンサーも酒を飲ませられた少年同様、年内の復帰は無理、最悪の場合、依願退職ということにもなりかねないでしょう。
菊間アナウンサーが“NEWS”の未成年メンバーに飲酒させていたことに関して、FUJI-TVの視聴者センターには事件が明るみになった16日から20日までの間に約15,900件の抗議や批判が殺到、その多くが「“NEWS”の未成年メンバーにアナウンサーが飲酒させることは何事か!」「酒を飲まされた“NEWS”のメンバーが無期限の謹慎で、FUJI-TVの人間、特に責任の重い菊間アナウンサーの処分が減給のみでは甘すぎる。」という批判でした。村田国家公安委員長も「(少年と一緒にいた)FUJI-TVの女性アナウンサーの社内処分が1週間の謹慎と減給というのは大変甘いと思う」と批判しました。
FUJI-TVは4年に1度(五輪の前年に)開催されるワールドカップなど、バレーボールの国際大会のたびに、ジャニーズアイドルをスペシャルサポーターとして起用してきました。かつてはV6、嵐が起用され、平成15年11月のワールドカップ、昨年5月にTBSテレビと共同放送したアテネ五輪最終予選、そして今回のワールドグランプリと、“NEWS”がスペシャルサポーターとして起用されてきました。日本の試合の前には“NEWS”が新曲の『TEPPEN』を歌って盛り上げました。FUJI-TVは女子中学生や女子高校生に人気のあるジャニーズアイドルを“客寄せパンダ”に利用し、彼女らをバレーボールに目を向けさせたのです。
今回の事件の主犯は菊間アナウンサーをはじめFUJI-TVのスタッフにあると思います。歌やドラマに、これからの活躍が期待されている18歳の少年が、女子アナのプライベートな会食に誘い込まれて飲酒させられ、無期限の謹慎処分に処されたのは、本人はもとより、彼を応援しているファンにとっても大変気の毒なことだと思います。放送や芸能の世界では接待や交流のために飲食や飲酒は必要不可欠だとはいえ、菊間千乃アナウンサーおよびFUJI-TVは、将来ある青少年を傷つけたということを厳粛に受け止めるべきだと、私は思います。

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2005年7月 5日

競争激化が招いたJR宝塚線の悲劇(その5)

JRグループ、NTT東西の3の舞となるか?郵政公社。
JR西日本やNTT西日本と同様な運命をたどりそうな企業はまだあります。現在国会で民営化が取りざたされている日本郵政公社です。
平成15年4月、日本の郵便事業は国営事業から日本郵政公社という公共企業体に譲渡されました。明治4年に官営事業としてスタート以来、132年目の大きな転換でした。
その日本郵政公社を、平成19年4月に分割・民営化しようという法案が、現在行われている通常国会で審議されています。郵政民営化は、現在の日本郵政公社を解体して、窓口ネットワーク会社、郵便事業会社、郵便貯金銀行、簡易保険事業会社、そしてこれらの4つの事業会社の経営を統括する純粋持ち株会社の5つの会社に分割しようというものです。国が全額出資する純粋持ち株会社のもとに、その純粋持ち株会社全額出資の4つの事業会社をぶらさげる形を取ります。そして、民営化10年後の平成29年までに、純粋持ち株会社は郵便貯金銀行と簡易保険事業会社の全株式を売却して完全民営化を図ろうというものです。
その背景には、まず一つには、小泉純一郎首相が打ち出している構造改革方針にあります。“小泉構造改革”は“民間でできることは民間に”という方針のもとに、国の機関の一部を独立行政法人へ移行したり、現業業務の大半を民間に委託させて、スリムで小さな政府を構築するものです。これによって、国立大学や国立病院などが独立行政法人化され、国の機関から切り離され、そこで働いていた従業員は公務員の身分を失いました。郵政公社の民営化は、小泉改革の本丸と位置づけられています。
もう一つには近年、電子メールやFAX、携帯電話などの普及の影響で、郵便物の取り扱いが年々減ってきたことや、小包もヤマト運輸や日本通運、西濃運輸など、民間の宅配業者との競争がますます激しくなってきており、郵便事業は慢性的な赤字となり、貯金や簡保の事業でカバーすることが困難になってきたのがあります。
法案が成立し、分割・民営化が実現しますと、郵便分野ではヤマトグループや日本通運、西濃グループなど、大手運輸企業グループが郵便部門に参入しやすくなります。また、金融分野では、今年10月に東京三菱銀行とUFJ銀行が合併して誕生する予定の“三菱UFJ銀行”をはるかに上回る規模の“郵便貯金銀行”が、保険分野では、昨年1月に明治生命と安田生命が合併してできた明治安田生命や、最大手の日本生命をも上回る規模の“簡易保険事業会社”が誕生することになります。
日本郵政公社の前身である郵政省は日本全国、へき地や離島も含め、全国約24,000局の郵便局ネットワークを築いてきました。郵便貯金の口座とキャッシュカードさえあれば、全国どこでも、しかも土曜日や休日も手数料無料でATMから現金の出し入れができます。また、貯金では定額貯金などの人気商品の他、学資保険や生命・傷害などの保険商品も取り扱い、豊かな国民生活に貢献してきました。
郵政事業の民営化は、こうした郵便局ネットワークのうち、全国の4分の3以上を占める、集配業務を行わない特定郵便局やへき地・離島など過疎地の郵便局を中心に、採算の合わない郵便局が整理される他、夜間・土曜・休日のATM手数料の有料化などが懸念されます。
すでに郵政公社では2年前の公社発足から、希望退職者募集による人員削減が行われています。今年3月までの2年間で希望退職者募集などにより公社発足時の約28万人を1万人削減して27万人体制にしています。しかし、民営化後、安易な業容拡大はできなかったり、税金の納税義務が生じるなどとして、“第2次アクションプラン”と称して民営化を予定している平成19年3月までにさらに2万人を削減しようとしています。分割・民営化が実現しますと、グループ全体で25万人体制でスタートさせようというのです。ただ、この3年間は“団塊の世代”が大量に定年を迎えることから、新規採用数は一定数を確保するとしています。
また、“ゆうメイト”と称する非常勤職員も増えており、その数は全国で14万人といわれています。ゆうメイトを使えば低賃金で働かせることができるうえ、雇用保険や健康保険などの各種社会保険は適用されず、労働コストは安くて済みます。しかも労働組合に加入して労働者としての権利を主張することもできません。これによって人件費を抑え、労働者支配を強化し、従業員を使い捨てしようというのがねらいです。また、郵便輸送のための下請け、請負会社も多く、その数は公表されていません。このようにして日本郵政公社は、正規職員と非常勤職員、そして請負労働者の3層化による差別分断構造により、郵政の現場で働く労働者を支配してきました。
今後民営化に向けて推し進められる“第2次アクションプラン”で、郵便内務業務はアウトソーシング化され、現在内務業務に従事している従業員は外務に回されたり、かつての国鉄のように“人材活用センター”送りにされることが懸念されています。
巨額かつ慢性的な赤字解消を目的に昭和62年に分割・民営化されたJRグループ7社の前身である国鉄は、分割・民営化を前に、国鉄最大の労働組合で分割・民営化に反対していた国労の組合つぶしが行われ、国労を脱退しない職員を“人材活用センター”送りにし、本来の業務とは関係のない、草むしりやペンキ塗り、掃除などの業務に転用させました。その上で、昭和62年4月のJRグループ発足と同時に、国労組合員7,628名は解雇され、国鉄清算事業団送りとなりました。その後、再就職斡旋もまともに行われることなく、平成2年4月に1,047名が解雇されました。そして国労も縮小・弱体化され、国労の上部団体だった全日本労働組合総評議会(総評)も解散しました。
一方、電気通信事業の民間開放と競争促進を目的に昭和60年に民営化されたNTTでは、民営化後、データ通信事業や移動体通信(携帯電話)事業、設備の保守・管理業務など、採算の悪い部門を相次いで分離・別会社化して、大量の従業員を片道出向させました。平成11年7月には分社化政策の総仕上げとして、東日本・西日本・長距離国際通信の3社に分割して持ち株会社になりました。平成14年5月には、東日本・西日本およびその傘下のグループ子会社の満50歳以上の従業員、約78,000人を対象に、地方支店の業務アウトソーシング化に基づく退職・再雇用方式で転籍と賃下げを行う大合理化が行われました。そして今年7月1日、NTT東日本は、3年前に発足させた都道県別・業態別のアウトソーシング会社51社を道県別各1社と東京ブロック別5社の計21社に再編し、本体の社員の追加出向が行われ、NTT西日本でも業態別のアウトソーシング事業2グループの事業の見直しなど、さらなる再編を模索しているといいます。
国鉄は巨額かつ慢性的な赤字解消と利益追求のために、また電電公社も通信市場の民間開放のために、それぞれ民営化されました。いずれも民営化後に大規模なリストラで人員削減をしてきました。
郵政の職場でもその昔、厳しい合理化を経験しています。昭和30年代後半から40年代にかけて、当時の郵政省当局が職員の労務管理強化を目的に“生産性向上運動(いわゆる“マル生”)”が推進され、郵政職員の労働組合“全逓”に対して不当労働行為がなされました。当局による組合つぶしに反発した全逓は、昭和53年から54年にかけての、年賀郵便取り扱いで繁忙となる年末年始に反マル生闘争を仕掛けました。これに対して郵政省当局は昭和54年4月28日、組合幹部から一般労働者に至るまで、61人の懲戒免職をはじめ、8,183人の組合員を懲戒処分しました。
それから26年経過した今、郵政の職場を新たなる“マル生攻撃”が襲っています。一部の郵便内務の現場では「お客様へのファーストクラスの品質の高いサービスの提供」や「ムダ・ムラ・ムリを徹底的に排除して生産性の向上を図る」などを目的としてJPS、いわゆるトヨタ生産方式が導入され、集配の現場ではイスが撤去されて立ち作業が増え、従業員の中には足腰に痛みを訴える従業員が続出、また郵政公社当局や労働組合上層部によって従業員からの批判も封じられ、当局の締め付けについていけず、泣く泣く依願退職していったり、自殺したり、過労死に追い込まれたりしている従業員も続出、その穴をゆうメイトで埋めているといいます。また、深夜勤務も増え、4日連続で1日12時間拘束の10時間労働という職員やゆうメイトも増えています。
こうした中、国会では与党である自民党や公明党の議員の中に、郵政民営化に反対する議員もおり、自民党や公明党では法案を一部修正して党議拘束をかけ、郵政民営化法案を確実に成立させようとしています。また、野党の民主・社民・共産党は郵政民営化法案そのものに反対しています。
さて、現在審議中の郵政民営化法案が今国会で成立し、再来年4月からの郵政事業の分割・民営化が実現すれば、郵政公社の職員、そしてゆうメイトの処遇はどうなるのでしょうか?
先ほど申し上げたような、かつての国鉄の分割・民営化に伴う“一旦解雇・選別採用”と、NTT東西が行ったアウトソーシングに名を借りた会社分割・労働条件切り下げという組み合わせが行われるものと予測されます。
郵政民営化法案が成立すると、総務省に“郵政民営化準備室”が設置され、新たに設立する4つの事業会社への人員割り振りが始まることになります。そして、分割・民営化に反対している抵抗勢力を“人材活用センター”送りにし、本来の業務とは関係のない業務に転用させます。そして、全職員に対し、「平成19年3月31日をもって日本郵政公社を解散し、従業員を全員解雇する。」と宣告し、各事業会社による選考が始まります。郵政公社が解散される時点で、解雇されると同時に国家公務員の身分を失います。各事業会社の事業方針にふさわしい人間のみが、新会社へと雇用承継され、抵抗勢力は各事業会社の選考ではじかれます。郵政公社解散と同時に共済組合も解散となり、健康保険は持ち株会社が設置する健康保険組合へ、年金は厚生年金へと承継となります。また、人事・給与制度も成果主義が導入され、労働組合も、郵政公社正規職員の多くが加入しているJPU(日本郵政公社労働組合)と全郵政(全日本郵政労働組合)を解散させ、新たに第2次世界大戦当時の“産業報告会”のような組織を事業会社ごとに創設し、事業会社の従業員全員を加入させることにより、持ち株会社や事業会社の方針に全面的に協力させ、人減らしや給与水準切り下げ、労働強化などいかなる会社当局の攻撃にも抵抗せず、耐えうる労働環境を構築させるものとなることが予想されています。また、全国に約14万人いるといわれる非常勤職員“ゆうメイト”も、全員が郵政公社解散と同時に解雇されます。こうした“ゆうメイト”を救うため、持ち株会社のもとに人材派遣会社を設立しようという動きも予想されます。
そして民営化から数年経過したところで、NTT東西が行ったような合理化を行います。NTT東西は地方支店の業務の大半をアウトソーシングさせるという形で、営業・設備・総務の3業態ごとや地域ごとにアウトソーシング会社を設立して、50歳以上の社員は退職・再雇用の上労働条件の切り下げを行いました。雇用承継に際しては会社側から「NTT東西に残っても仕事はない」などと脅して退職・再雇用に応じさせました。退職・再雇用に応じなかった一部の社員はリストラに抵抗する勢力と見なされ、全員が広域配転させられた上で見せしめ的に最低のD評価をつけられ、賃下げさせられています。そしてその退職・再雇用制度が、30代の中堅層にまで広げられようとしています。
民営化で発足した新会社でも、発足後数年ごとに事業のあり方を検証した上で、アウトソーシング導入などグループ再編をかけていくと思われます。現行の労働契約承継法では、民法625条に基づく本人の同意なしでの転籍は会社分割の場合のみに限られ、また、転籍の際の労働条件の一方的な切り下げもできません。そこでこの労働契約承継法を改正させたり、何らかの特別措置法を立法させた上で、営業譲渡やアウトソーシングでも本人の同意なしでの転籍ができるようにし、また転籍の際の労働条件の一方的な切り下げもできるようにして、NTT東西同様、地域別・業態別のアウトソーシング会社を設立して、採算の悪い事業会社の業務を切り出すリストラが、ものすごいスピードで行われることが予想されます。無論、労働組合はなく、産業報国会になっていますのでグループ会社の社員は会社分割が決定されれば批判や抵抗もできず、転籍や労働条件切り下げにも応じなければなりません。NTTグループは民営化後20年で持ち株会社を頂点とした、細分化・階層化による強靱なグループ構造を構築してきました。郵政が民営化されれば、NTTグループのようなグループ構造が、そして労働者にものをいわせない職場環境が、わずか数年で構築されることが予想されます。
すでに公社の段階で人員削減やトヨタ生産方式に名を借りた“新・マル生攻撃”で締め付けられた郵政の職場。分割・民営化が実現されればさらなる合理化攻撃が、正規職員・非常勤職員・下請け業者を含む50万人を超える郵政の労働者を襲うことは避けられません。
7月5日、衆議院本会議で郵政民営化法案は自民党と公明党の賛成多数で可決されました。賛成233、反対228、わずか5票差で、自民党の議員には党の方針に逆らい反対の票を投じた議員もいました。論戦の舞台は参議院に移り、その参議院での論戦に、郵便・貯金・簡易保険の郵政3事業の未来が、そして郵政の職場で働く約50万人の未来が左右されるのです。

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